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税務相談Q&Aテキスト版

2018年7月号

▼テーマ
 相続税の申告について

▼本文
どのような場合に相続税の申告が必要ですか。以前掲載いたしましたが、平成27年1月1日より相続税法が改正されています。現在の相続税法の規定では、次の場合に申告が必要になっています。

1.相続税とは
相続税は、個人が亡くなった人(被相続人)から相続や遺贈によって財産を取得した場合に、課税される税金です。

2.相続税の申告が必要となる場合とは
被相続人(亡くなった人)から相続や遺贈によって各相続人が取得した財産の総額と、「相続時精算課税制度の適用」を受けた贈与財産がある場合は、この価額を合計します。
②①の価額から被相続人の「債務や葬式費用」、「非課税財産」を差し引いて遺産相額を計算します。
③②の価額に相続開始前3年以内の「暦年課税の贈与財産」がある場合、この価額を加算して、正味の遺産総額を計算します。
④③の価額から遺産に係る基礎控除額を差し引いて、「課税遺産総額」を計算します。
※正味の遺産相続()が、基礎控除額を超える場合は、相続税の申告をする必要があります。

3.遺産に係る基礎控除額とは3000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算します。

4.申告と納税について
相続税の申告の必要がある場合は、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に申告書を提出するとともに、納税額が算出される場合は、同日までに納税しなければなりません。例えば、2月1日死亡の場合は、12月1日が申告と納税の期限となります。

5.相続財産に含まれるもの
被相続人が亡くなられた時点で所有していた全ての財産が対象となります。したがって、日本国外に所在する財産も対象となります。ただし、墓所、仏壇、祭具などは非課税財産となり、相続財産の価額に含めません。
被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」「退職金」なども対象となります。ただし一定の金額までは非課税となります。
被相続人から相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産。
被相続人から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産。

2018年5月号

▼テーマ
 住宅取得等資金贈与の非課税の特例

▼本文
制度の概要
 平成33年12月31日までの間に、一定の受贈者が父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税になります。

非課税限度額
①下期②以外の場合
a.省エネ等住宅
H32年3月31日まで:1,200万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで:1,000万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:800万円
b.a以外の住宅
H32年3月31日まで:700万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで:500万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:300万円

②消費税の税率が10%の場合
a.省エネ等住宅
H32年3月31日まで:3,000万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで1,500万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:1,200万円
b.a以外の住宅
H32年3月31日まで:2,500万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで:1,000万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:700万円

受贈者の要件
受贈者は、次の要件をすべて満たす必要があります。
①贈与をした者がその者の直系尊属であること
②贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であって、その年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること
③贈与を受けた時に、日本国内に住所を有していること
④贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて、住宅用家屋の新築等をし、居住すること、又は同日後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること

住宅用家屋の要件
床面積が50㎡以上240㎡以下であること

申告の要件
贈与税の申告期間内に、贈与税の申告をする必要があります。

2018年3月号

▼テーマ
 確定申告で医療費控除を受けるための手続きの変更について

▼本文
 平成29年分の確定申告から、医療費控除を受ける場合領収書の提出の代わりに「医療費控除の明細書」の添付が必要になりました。

1.医療費控除の手続きの改正点
①「医療費の領収書」の提出または掲示が不要になりました
電子申告を利用する場合は、医療費の明細書を提出し、領収書は提出せず、保管義務がありました。通常の確定申告の場合も領収書の提出等が不要となりました。
②「医療費控除の明細書」の提出が必要となりました。
「医療費の領収書」は、自宅等で5年間保管する必要があります(税務署から求められた時は、提示または提出しなければなりません)。そして、所定の事項が記載された、医療保険者から交付を受けた医療費通知(医療費のお知らせなど)を提出する場合は、「医療費控除の明細書」の記載や医療費の領収書の保管を省略することが出来ます。

2.医療費控除について
①医療費控除の対象となる医療費の要件
(1) 自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費である事。
(2) その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費である事(未払いの医療費は、実際に支払った年に医療費控除の対象となります)。
②医療費控除の対象となる金額
医療費控除の金額は、次の式で計算した金額(最高で200万円です)。
「医療費の合計金額」-(1)の金額-(2)の金額=医療費控除の額
(1)保険金などで補填される金額(生命保険契約などで支払われる入院給付金などや、健康保険などで支給される高額医療費・出産育児一時金など)(2) 10万円
ただし、その年の総所得金額が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額

2018年1月号

▼テーマ
 居住用財産の譲渡所得の特別控除について

▼本文
 居住していた家屋を売った場合の譲渡所得についての特別控除の特例とは、どのような制度ですか。
個人が、居住の用に供している家屋若しくは家屋とともにその敷地を譲渡した場合、譲渡所得の金額から3,000万円が特別控除されます。

特例を受けるための適用要件
 特例を受けるためには次の要件に当てはまることが必要です。
(1)個人が住んでいる家屋を譲渡するか、住んでいる家屋とともにその敷地である土地や借地権を譲渡すること
以前居住の用に供していた家屋若しくはその敷地である土地等で居住の用に供さなくなった場合には、居住の用に供されなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡すること
(2)居住の用に供している家屋を取り壊し、その家屋の敷地である土地等を譲渡した場合には、次の2つの要件すべてに当てはまることが必要です
①土地等の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、居住の用に供されなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡すること
②家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その土地等を貸駐車場などその他の用に供していないこと
(3)居住用家屋が災害により滅失した場合には、その敷地の用に供されていた土地等を、居住の用に供されなくなった日から3年目の年の12月31日までに譲渡すること
(4)譲渡した年の前年又は前々年に、この特例又は居住用財産の買換え(交換)の特例若しくは居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を受けていないこと
(5)譲渡した家屋やその敷地である土地等について、収用等の特別控除等他の特例の適用を受けていないこと
(6)譲渡した相手が配偶者や親子など特別な関係のある人ではないこと

特例を受けるための手続
 この特例を受けるためには、確定申告をすることが必要です。また、確定申告書に譲渡所得の内訳書を添付します。

居住用財産の譲渡所得の軽減税率の特例
 この特別控除の特例を受けた場合でも、譲渡した年の1月1日で、家屋と土地の所有期間がともに10年を超えているものは、居住用財産の譲渡所得の軽減税率の特例の適用が受けられます。

2017年11月号

▼テーマ
 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し

▼本文
 平成29年度税制改正により、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われ、配偶者控除及び配偶者特別控除の金額が改正されました。
 この改正は、平成30年分以後の所得税について適用されます。

1.現在の制度の概要
「控除対象配偶者」とは、居住者と生計を一にする配偶者(事業専従を除く)で、合計所得金額が38万円以下である人をいいます(給与収入のみの場合103万円以下)。
②居住者が控除対象配偶者を有する場合には、その居住者のその年分の所得から38万円「配偶者控除額」として控除されます。
③居住者(合計所得金額が、1,000万円以下の人に限ります)が、生計を一にする配偶者で控除対象配偶者に該当しない人を有する場合には(配偶者の合計所得金額が38万円超76万円未満の人に限る)配偶者の所得金額に応じた一定の金額が「配偶者特別控除額」として控除されます。

2.改正後の内容
①納税者本人の所得制限。
 配偶者控除を適用される納税者本人に所得制限が設けられます。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除の適用を受けることができなくなりました。本人の所得が900万円超950万円以下の場合は26万円950万円超1,000万円以下の場合は13万円配偶者控除額が減額となります。
 また、配偶者特別控除の金額も、納税者本人の所得金額に応じ、金額が変更となります。
②対象となる配偶者の合計所得金額の変更。
 配偶者特別控除額の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされました(現在は、合計所得金額が38万円超76万円未満の場合です)。これにより所得控除が38万円の対象となる配偶者の給与収入が150万円に引き上げられます。

2017年9月号

▼テーマ
相続時精算課税制度

▼本文
相続時精算課税制度とはどのような制度でしょうか。

相続時精算課税制度の概要
 「相続時精算課税制度」とは、贈与した年の1月1日において60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫への生前贈与について、子又は孫の選択により利用できる制度です。贈与時には贈与財産に対する軽減された贈与税を支払います。その後、贈与者である父母又は祖父母が亡くなった時に、
その贈与財産とその他の相続財産を合計した価額を基に計算した相続税額から、既に支払った贈与税額を精算します。
 この制度は2,500万円の特別控除があります。同一の父母又は祖父母からの贈与において限度額に達するまで何回でも控除することができ2,500万円までの贈与には贈与税がかかりません。
 ただし、相続時精算課税制度を利用した場合、暦年課税の贈与税の基礎控除額110万円を控除することはできません。
 贈与額が2,500万円を超えた場合には、超えた額に対して一律20%の贈与税が課税されます。その贈与税は相続時に相続税額から差し引かれ、相続税額が少ない場合は差額が還付されます。
 相続時精算課税制度は、選択制ですから、例えば父からの贈与については選択して、母からの贈与には選択しないで、暦年課税の贈与税を適用することができます。
ただし、一度相続時精算課税を選択したら取り消すことはできません。

適用手続
 相続時精算課税を選択する子又は孫である受贈者は、選択した最初の贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に所轄税務署長に対して
「相続時精算課税選択届出書」を受贈者の戸籍謄本等の書類とともに贈与税の申告書に添付して提出することとされています。