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税務相談Q&Aテキスト版

2019年3月号

▼テーマ
 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

▼本文
空き家は近年増加傾向にあり、治安や景観の悪化などが社会問題になってきております。長岡市でも「空き家バンク事業」を通じ、空き家等の賃貸又は売却を希望する所有者と利用希望者との橋渡しをしています。現在、税制面では、被相続人の居住用財産を相続された方が、平成31年12月31日までにその家屋等を売却し、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得から最高3000万円まで控除できる制度があります。
現行制度の要件と今後の改正内容を確認してみましょう。

1.現行制度の概要及び要件
この制度は、相続又は遺贈により被相続人の居住用家屋及び被相続人の居住用家屋の敷地を取得した方が、その物件を売却されたときに受けられる制度です。
現行での特例を適用するには、次の要件が必要です。
①相続開始直前において被相続人が一人で住んでいた家屋であること。
②昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
③区分所有の建物登記がされている建物でないこと。
④相続の時から譲渡の時まで、その建物及び敷地が事業の用、貸付けの用又は居住の用に供された事がないこと。
⑤相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
⑥売却代金が1億円以下であること。
⑦家屋を取り壊さずに譲渡する場合には、その家屋が新耐震基準に適合するものであること。⑧家屋を取り壊して譲渡する場合には、その家屋の全部を取り壊し、その後、譲渡の時まで、その敷地が建物又は構築物の敷地の用に供された事のないこと。

2.本制度の改正点
現行制度では、特例の対象となる空き家が、相続開始の直前まで居住の用に供された家屋に限られています。このため被相続人が介護状態となり、老人ホーム等に入所したまま亡くなった場合は、この特例を適用することが出来ません。そこで平成31年度税制改正大綱では、そのようなケースでも適用できるようにし、今年の4月1日の譲渡から適用した上で、期限も4年間延長する予定となっております。
多くの要件がありますので、この特例を使う可能性がある場合には、早めの相談や準備をされた方が良いでしょう。

2019年1月号

▼テーマ
 生命保険契約の満期や解約により保険金を受け取った場合の課税関係

▼本文
毎年確定申告をされている方、されていない方ともに忘れがちなのが、いつもの年にない臨時的に発生した所得の申告です。今回はその中で、生命保険契約の満期や解約に伴い保険金を受け取った場合の課税関係について触れていきます。計算のための資料は保険会社から送られていますので、税務申告をする必要があるかどうか確認してみましょう。

1.所得税が課税される場合
保険金を受け取った方本人が保険料を負担していた場合には所得税の課税対象となります。

満期保険金等を一時金で受け取った場合
満期保険金等を一時金で受け取った場合には、一時所得になります。課税の対象となるのは、受け取った保険金の額から既に払い込んだ保険料の額及び特別控除額50万円を控除した金額に1/2を掛けて計算した金額となります。
満期保険金等を年金で受け取った場合
満期保険金等を年金で受け取った場合には、公的年金等以外の雑所得になります。課税の対象となるのは、その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料の額を差し引いた金額となります。

2.贈与税が課税される場合
保険金を受け取った方以外の方(御家族など)が保険料を負担していた場合には贈与税の課税対象となります

満期保険金等を一時金で受け取った場合
満期保険金等を一時金で受け取った場合には、受け取った保険金の額から基礎控除額110万円(相続時精算課税の適用を受けている方は、残存している特別控除額)を控除した金額が課税対象となります。

満期保険金等を年金で受け取った場合
満期保険金等を年金で受け取った場合には、初年度は満期時に確定した保険金について①と同様に贈与税の対象となります。2年目以降は当初の保険金額から運用により増加した部分について公的年金等以外の雑所得として所得税の対象となります。

2018年11月号

▼テーマ
 消費税等の「軽減税率制度」が実施されます(2019年10月1日からの予定)

▼本文
概要
消費税及び地方消費税の税率が8%から10%に引き上げられるのと同時に(2019年10月1日からの予定)、消費税等の軽減税率(8%)制度が実施されます。
これに伴い、消費税等の税率は「標準税率10%」と「軽減税率8%」の複数税率となります。

軽減税率の対象品目
①飲食料品
飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(「酒類を除く」)をいい、一定の一体資産(おもちゃ付き菓子のように、食品と食品以外の資産が一体となったもので一定の条件に適合したもの)を含みます。
ただし、「外食やケータリング等」は、軽減税率の対象にはなりません。
*(食品表示法に規定する食品とは、すべての飲食物をいい、「人の飲用または食用に供されるもの」です。また、医薬品・医薬部外品等は除かれます。)
*(一体資産のうち、「税抜価額が1万円以下」であって、「食品の価額の占める割合が3分の2以上」の場合、全体が軽減税率(8%)の対象となります。(それ以外は、全体が標準税率(10%)の対象となります。)

②新聞
週2回以上発行される新聞で、定期購読契約に基づくものが対象になります。

農畜産物について
農畜産物の多くは、軽減税率の対象となります。ただし、「観賞用の花き」や「肉用子牛のように生体で取引される家畜」は、軽減税率の対象になりません。

*軽減税率の対象品目と対象外品目の主な例
(1)水稲
「主食用米」は、軽減税率対象ですが、「飼料用米・種もみ」は、標準税率対象です。
(2)野菜
「野菜や食品として販売される野菜の種」は、軽減税率対象ですが、「栽培用(種苗用)の野菜の種や苗」は、標準税率対象です。
(3)花き
「食用菊など食品として販売されるもの」は、軽減税率対象ですが、「観賞用の花き」は、標準税率対象です。

2018年9月号

▼テーマ
 夫婦間で居住用不動産等を贈与したときの配偶者控除

▼本文
制度の概要
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除の110万円の他に最高2,000万円までの控除ができるという制度です。

適用要件
(1)婚姻期間が20年以上ある配偶者からの贈与であること
(2)配偶者から贈与された財産が、本人が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が、居住の用に供し、その後引き続き居住の用に供する見込みであること
(4)以前に、贈与により、当該配偶者から取得した財産に係る贈与税につき、この制度の適用を受けた者でないこと(同一夫婦間で、一生一回限りの適用)

居住用不動産の範囲
贈与を受けた配偶者が居住するための国内の家屋又はその家屋の敷地(土地若しくは借地権)
居住用家屋のみあるいは居住用家屋の敷地のみの贈与を受けた場合でも配偶者控除を適用できます。居住用家屋の敷地のみの贈与については、次のいずれかに該当することが必要です。
(1)夫又は妻が居住用家屋を所有していること
(2)贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用家屋を所有していること

適用を受けるための手続き
(1)贈与税の申告書を提出すること
(2)贈与税の申告書に次の書類を添付すること
①財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本及び戸籍の附票の写し
②所有権の移転登記後の登記事項証明書や贈与契約書等、その居住用不動産を取得したことを証する書類

2018年7月号

▼テーマ
 相続税の申告について

▼本文
どのような場合に相続税の申告が必要ですか。以前掲載いたしましたが、平成27年1月1日より相続税法が改正されています。現在の相続税法の規定では、次の場合に申告が必要になっています。

1.相続税とは
相続税は、個人が亡くなった人(被相続人)から相続や遺贈によって財産を取得した場合に、課税される税金です。

2.相続税の申告が必要となる場合とは
被相続人(亡くなった人)から相続や遺贈によって各相続人が取得した財産の総額と、「相続時精算課税制度の適用」を受けた贈与財産がある場合は、この価額を合計します。
②①の価額から被相続人の「債務や葬式費用」、「非課税財産」を差し引いて遺産相額を計算します。
③②の価額に相続開始前3年以内の「暦年課税の贈与財産」がある場合、この価額を加算して、正味の遺産総額を計算します。
④③の価額から遺産に係る基礎控除額を差し引いて、「課税遺産総額」を計算します。
※正味の遺産相続()が、基礎控除額を超える場合は、相続税の申告をする必要があります。

3.遺産に係る基礎控除額とは3000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算します。

4.申告と納税について
相続税の申告の必要がある場合は、被相続人が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に申告書を提出するとともに、納税額が算出される場合は、同日までに納税しなければなりません。例えば、2月1日死亡の場合は、12月1日が申告と納税の期限となります。

5.相続財産に含まれるもの
被相続人が亡くなられた時点で所有していた全ての財産が対象となります。したがって、日本国外に所在する財産も対象となります。ただし、墓所、仏壇、祭具などは非課税財産となり、相続財産の価額に含めません。
被相続人の死亡に伴い支払われる「生命保険金」「退職金」なども対象となります。ただし一定の金額までは非課税となります。
被相続人から相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産。
被相続人から相続開始前3年以内に贈与により取得した財産。

2018年5月号

▼テーマ
 住宅取得等資金贈与の非課税の特例

▼本文
制度の概要
 平成33年12月31日までの間に、一定の受贈者が父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築等の対価に充てるための金銭を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、次の非課税限度額までの金額について、贈与税が非課税になります。

非課税限度額
①下期②以外の場合
a.省エネ等住宅
H32年3月31日まで:1,200万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで:1,000万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:800万円
b.a以外の住宅
H32年3月31日まで:700万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで:500万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:300万円

②消費税の税率が10%の場合
a.省エネ等住宅
H32年3月31日まで:3,000万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで1,500万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:1,200万円
b.a以外の住宅
H32年3月31日まで:2,500万円
H32年4月1日~H33年3月31日まで:1,000万円
H33年4月1日~H33年12月31日まで:700万円

受贈者の要件
受贈者は、次の要件をすべて満たす必要があります。
①贈与をした者がその者の直系尊属であること
②贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であって、その年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること
③贈与を受けた時に、日本国内に住所を有していること
④贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の全額を充てて、住宅用家屋の新築等をし、居住すること、又は同日後遅滞なく居住することが確実であると見込まれること

住宅用家屋の要件
床面積が50㎡以上240㎡以下であること

申告の要件
贈与税の申告期間内に、贈与税の申告をする必要があります。