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税務相談Q&Aテキスト版

2019年7月号

▼テーマ
 住宅ローン控除の拡充(2019年度税制改正)

▼本文
令和元年(2019年)10月1日の消費税率の引き上げに際し、需要変動の平準化の観点から、住宅に関する税制上の支援策が講じられます。

改正点
消費税が引き上げられる令和元年(2019年)10月1日から令和2年(2020年)12月31日までの間に居住の用に供した場合、次のように適用されます。

一、消費税率10%が適用される住宅取得等について、住宅ローン控除の控除期間を3年延長(改正前:10年→改正後:13年)
二、11年目以降の3年間については、消費税2%引き上げ分の負担に着目した控除額の上限を設定。
  具体的には、各年において、次のいずれか少ない金額を税額控除します。

① 建物購入価格の2%の1/3
② 住宅ローン年末残高の1%

今回の改正は、3年間で消費税増税分にあたる「建物購入価格の2%(2/3%×3年)」の範囲で減税されます。
ただし、ローン残高が少ない場合はこれまでどおり住宅ローン年末残高に応じて減税されます。
消費税10%の増税時には、5%から8%に増税された時と同様に建物取得に係る消費税の経過措置の適用もあるため、十分に検討してから住宅を購入することが必要になろうかと思われます。

2019年5月号

▼テーマ
 ふるさと納税の所得税及び住民税の控除について

▼本文
ふるさと納税制度は、自らの意思で納付先(寄附先)を選択する制度です。生まれ育った故郷や、お世話になった地域、独自の取組みなどをしている地方自治体を応援してもらうために導入されました。寄附は都道府県、市区町村であれば全国どこの自治体にでも行うことができます。

自己負担額2千円で所得税及び住民税が一定限度額まで軽減される
支出した寄附金のうち2千円を超える部分について、確定申告をされる方は、所得控除のうちの寄附金控除(総所得金額等の40%相当額が限度)を受けることにより所得税が軽減されます。そして所得税で控除しきれない部分は、翌年度の住民税から控除されます。なお、住民税からの控除には基本分(総所得金額等の30%相当額が限度)と特例分があり、基本分の限度額を超える部分は特例分(住民税所得割額の20%相当額が限度)で控除されることになります。

ワンストップ特例制度により確定申告が不要
確定申告をする必要のない人で、寄附をした自治体が5箇所以内の場合は、確定申告をせずに税金の軽減を受けられます。(ワンストップ特例)
この制度を選択すると確定申告をしないので、所得税から控除は行われず、翌年度の住民税のみが減額されることになります。
ただし、6箇所以上の自治体に寄附した場合は、申請しても適用されません。

令和元年6月1日以降からの寄附
 この度、過度な返礼品競争を規制するため、制度の見直しが行われました。令和元年6月1日以降の寄附から返礼品を「寄附額の3割以下の地場産品」に限定し、寄附金募集について適正な実施が求められることになりました。こうした条件に該当しない自治体への寄附金については、税制上の優遇が受けられなくなります。

2019年3月号

▼テーマ
 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

▼本文
空き家は近年増加傾向にあり、治安や景観の悪化などが社会問題になってきております。長岡市でも「空き家バンク事業」を通じ、空き家等の賃貸又は売却を希望する所有者と利用希望者との橋渡しをしています。現在、税制面では、被相続人の居住用財産を相続された方が、平成31年12月31日までにその家屋等を売却し、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得から最高3000万円まで控除できる制度があります。
現行制度の要件と今後の改正内容を確認してみましょう。

1.現行制度の概要及び要件
この制度は、相続又は遺贈により被相続人の居住用家屋及び被相続人の居住用家屋の敷地を取得した方が、その物件を売却されたときに受けられる制度です。
現行での特例を適用するには、次の要件が必要です。
①相続開始直前において被相続人が一人で住んでいた家屋であること。
②昭和56年5月31日以前に建築されたこと。
③区分所有の建物登記がされている建物でないこと。
④相続の時から譲渡の時まで、その建物及び敷地が事業の用、貸付けの用又は居住の用に供された事がないこと。
⑤相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。
⑥売却代金が1億円以下であること。
⑦家屋を取り壊さずに譲渡する場合には、その家屋が新耐震基準に適合するものであること。⑧家屋を取り壊して譲渡する場合には、その家屋の全部を取り壊し、その後、譲渡の時まで、その敷地が建物又は構築物の敷地の用に供された事のないこと。

2.本制度の改正点
現行制度では、特例の対象となる空き家が、相続開始の直前まで居住の用に供された家屋に限られています。このため被相続人が介護状態となり、老人ホーム等に入所したまま亡くなった場合は、この特例を適用することが出来ません。そこで平成31年度税制改正大綱では、そのようなケースでも適用できるようにし、今年の4月1日の譲渡から適用した上で、期限も4年間延長する予定となっております。
多くの要件がありますので、この特例を使う可能性がある場合には、早めの相談や準備をされた方が良いでしょう。

2019年1月号

▼テーマ
 生命保険契約の満期や解約により保険金を受け取った場合の課税関係

▼本文
毎年確定申告をされている方、されていない方ともに忘れがちなのが、いつもの年にない臨時的に発生した所得の申告です。今回はその中で、生命保険契約の満期や解約に伴い保険金を受け取った場合の課税関係について触れていきます。計算のための資料は保険会社から送られていますので、税務申告をする必要があるかどうか確認してみましょう。

1.所得税が課税される場合
保険金を受け取った方本人が保険料を負担していた場合には所得税の課税対象となります。

満期保険金等を一時金で受け取った場合
満期保険金等を一時金で受け取った場合には、一時所得になります。課税の対象となるのは、受け取った保険金の額から既に払い込んだ保険料の額及び特別控除額50万円を控除した金額に1/2を掛けて計算した金額となります。
満期保険金等を年金で受け取った場合
満期保険金等を年金で受け取った場合には、公的年金等以外の雑所得になります。課税の対象となるのは、その年中に受け取った年金の額から、その金額に対応する払込保険料の額を差し引いた金額となります。

2.贈与税が課税される場合
保険金を受け取った方以外の方(御家族など)が保険料を負担していた場合には贈与税の課税対象となります

満期保険金等を一時金で受け取った場合
満期保険金等を一時金で受け取った場合には、受け取った保険金の額から基礎控除額110万円(相続時精算課税の適用を受けている方は、残存している特別控除額)を控除した金額が課税対象となります。

満期保険金等を年金で受け取った場合
満期保険金等を年金で受け取った場合には、初年度は満期時に確定した保険金について①と同様に贈与税の対象となります。2年目以降は当初の保険金額から運用により増加した部分について公的年金等以外の雑所得として所得税の対象となります。

2018年11月号

▼テーマ
 消費税等の「軽減税率制度」が実施されます(2019年10月1日からの予定)

▼本文
概要
消費税及び地方消費税の税率が8%から10%に引き上げられるのと同時に(2019年10月1日からの予定)、消費税等の軽減税率(8%)制度が実施されます。
これに伴い、消費税等の税率は「標準税率10%」と「軽減税率8%」の複数税率となります。

軽減税率の対象品目
①飲食料品
飲食料品とは、食品表示法に規定する食品(「酒類を除く」)をいい、一定の一体資産(おもちゃ付き菓子のように、食品と食品以外の資産が一体となったもので一定の条件に適合したもの)を含みます。
ただし、「外食やケータリング等」は、軽減税率の対象にはなりません。
*(食品表示法に規定する食品とは、すべての飲食物をいい、「人の飲用または食用に供されるもの」です。また、医薬品・医薬部外品等は除かれます。)
*(一体資産のうち、「税抜価額が1万円以下」であって、「食品の価額の占める割合が3分の2以上」の場合、全体が軽減税率(8%)の対象となります。(それ以外は、全体が標準税率(10%)の対象となります。)

②新聞
週2回以上発行される新聞で、定期購読契約に基づくものが対象になります。

農畜産物について
農畜産物の多くは、軽減税率の対象となります。ただし、「観賞用の花き」や「肉用子牛のように生体で取引される家畜」は、軽減税率の対象になりません。

*軽減税率の対象品目と対象外品目の主な例
(1)水稲
「主食用米」は、軽減税率対象ですが、「飼料用米・種もみ」は、標準税率対象です。
(2)野菜
「野菜や食品として販売される野菜の種」は、軽減税率対象ですが、「栽培用(種苗用)の野菜の種や苗」は、標準税率対象です。
(3)花き
「食用菊など食品として販売されるもの」は、軽減税率対象ですが、「観賞用の花き」は、標準税率対象です。

2018年9月号

▼テーマ
 夫婦間で居住用不動産等を贈与したときの配偶者控除

▼本文
制度の概要
婚姻期間が20年以上の夫婦の間で、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与が行われた場合、基礎控除の110万円の他に最高2,000万円までの控除ができるという制度です。

適用要件
(1)婚姻期間が20年以上ある配偶者からの贈与であること
(2)配偶者から贈与された財産が、本人が住むための国内の居住用不動産であること又は居住用不動産を取得するための金銭であること
(3)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、贈与により取得した国内の居住用不動産又は贈与を受けた金銭で取得した国内の居住用不動産に、贈与を受けた者が、居住の用に供し、その後引き続き居住の用に供する見込みであること
(4)以前に、贈与により、当該配偶者から取得した財産に係る贈与税につき、この制度の適用を受けた者でないこと(同一夫婦間で、一生一回限りの適用)

居住用不動産の範囲
贈与を受けた配偶者が居住するための国内の家屋又はその家屋の敷地(土地若しくは借地権)
居住用家屋のみあるいは居住用家屋の敷地のみの贈与を受けた場合でも配偶者控除を適用できます。居住用家屋の敷地のみの贈与については、次のいずれかに該当することが必要です。
(1)夫又は妻が居住用家屋を所有していること
(2)贈与を受けた配偶者と同居する親族が居住用家屋を所有していること

適用を受けるための手続き
(1)贈与税の申告書を提出すること
(2)贈与税の申告書に次の書類を添付すること
①財産の贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本又は抄本及び戸籍の附票の写し
②所有権の移転登記後の登記事項証明書や贈与契約書等、その居住用不動産を取得したことを証する書類