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税務相談Q&Aテキスト版

2020年7月号

▼テーマ
 中小企業者等の固定資産税軽減措置について

▼本文
このたび新型コロナウイルスの影響により、生活に影響を受けられている地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
そんな中、休業又は事業収入が大幅に減少し、厳しい経営環境に直面している中小事業者の方々に対して、固定資産税(都市計画税を含む)の負担を軽減する措置が講じられます。

対象者
資本金が1億円以下の法人
資本金を有しない場合は従業員1000人以下の法人
従業員1000人以下の個人事業主
ただし、大企業の子会社等は対象外となります。

売上要件と減免率
令和2年2月~10月までの期間の中で、連続する任意の3ケ月間の売上高の合計が前年の同じ期間と比べて
50%以上減少の場合は全額を減免
30%以上50%未満減少の場合は2分の1を減免

軽減対象
事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税
事業用家屋に対する都市計画税
土地や居住用家屋は対象外となります。また、事業用と居住用が一体となっている家屋については、事業専用割合に応じた部分が対象となります

申請手続き
認定経営革新等支援機関等(専門的知識を有し、一定の実務経験を持つ、税理士、公認会計士、弁護士等の支援機関)へ、適用要件の確認を依頼し、確認書の発行を受ける。
令和3年1月以降に申請期限(1月末)までに固定資産税を納付する各市町村に必要書類と一緒に申請をする。

各市町村への申請は、毎年行われる償却資産税の申告書と同じ提出期間となります。
本制度は令和3年度の課税分に対する軽減措置です。令和2年度分には適用されません。しかし、令和2年2月以降、売上が前年同月比20%以上減少している場合は、納期限から1年間納税が猶予される特例を受けることができます。

2020年5月号

▼テーマ
 令和2年分の所得税改正について

▼本文
令和元分年の確定申告は、コロナウイルスの影響により提出期限を1か月延長して終了しました。今回の確定申告には大きな改正はありませんでしたが、令和2年分にはいくつか改正点があります。その内容を簡単に説明したいと思います。

基礎控除の引上げ
所得税には個人事業主やサラリーマンなどに関係なく、誰でも控除出来る基礎控除があります。その控除額は今まで38万円でした。その金額が
令和2年分より48万円に引き上げられます。ただし所得の多い方については次のように控除額が減っていきます。

所得額が2,400万円以下の方は満額の48万円
2,400万円超2,450万円以下の方は32万円
2,450万円超2,500万円以下の方は16万円
2,500万円超の方については適用なしのゼロ

青色申告特別控除の引下げ
前記の基礎控除は10万円引上げられましたが、給与所得者については給与所得控除、年金所得者については公的年金等控除が令和2年分より10万円引き下げられる事となりました。
そして事業所得者については今まで最大65万円控除されていた青色申告特別控除が、10万円引き下げられ最大55万円に改正されます。
所得が2,400万円以下の方は、基礎控除と合わせると同じ控除額となりますが、所得がそれ以上の方は控除額が減る事となります。

青色申告特別控除の上乗せ
現行の65万円の青色申告特別控除の適用要件に加えて、次のいずれかの要件を満たす場合には、引き続き青色申告特別控除が最大65万円控除出来ます。
e-Taxを利用して申告書及び青色決算書を提出する。
電子帳簿保存法に対応する会計ソフトを用いて記帳し、かつ電子帳簿保存の承認申請書を税務署に提出する。

承認申請書につきましては、本来は開始する3か月前までに税務署に提出しなければなりません。しかし令和2年分に限り令和2年9月29日までに申請書を提出し12月31日までの間に電子帳簿保存を行う事で適用を受ける事ができます。
是非ご検討下さい。

2020年03月号

▼テーマ
 配偶者居住権の税の取扱いについて

▼本文
民法の改正に伴い、令和2年4月より配偶者居住権が新しく創設されます。今回は配偶者居住権の相続税及び贈与税について説明します。

配偶者居住権とは?
 配偶者が居住していた被相続人所有の建物について、残された配偶者が遺産分割等により、一定期間または終身で住み続けることができる権利です。
 相続が発生し居住不動産を相続する場合、現在は所有権という権利しかありません。令和2年4月1日以後に開始する相続からは、「所有権」と「配偶者居住権」に分けて相続することができるようになります。
 ただし、配偶者居住権を設定する場合は、一定の手続きと登記が必要となります。なお、この権利は配偶者居住権を相続した配偶者が死亡したときに消滅します。

相続税はどうなるのか?
 「配偶者居住権」を設定した場合、相続税の評価についても権利設定と同様に「所有権」と「配偶者居住権」とに分けて評価します。
例えば、配偶者と子がそれぞれ取得したケースでは次のような関係となります。
 居住不動産の評価額(従来の所有権)=配偶者居住権(配偶者の相続分)+所有権(子の相続分)
 従来の所有権を「配偶者居住権」と「所有権」に分けただけなので、不動産全体の評価額は変わりません。
 配偶者は取得した「配偶者居住権」については配偶者の税額軽減が受けられます。「所有権」を取得した子は配偶者居住権の分だけ評価額が下がりますので、相続税の総額も下がる可能性があります。なお、配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅しますが、それにより所有者である子に相続税が課税されることはありません。

贈与税が課税されるケースも
 前項で説明したとおり、配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅します。しかし、次の場合は配偶者から所有者に贈与があったものとみなされ、贈与税が課税される可能性があるので注意が必要です。
当初設定した存続期間の満了前に配偶者居住権を放棄した場合
所有者との合意により消滅させたときに、所有者が消滅直前の配偶者居住権の価額に相当する額の対価を支払わなかった場合

2020年01月号

▼テーマ
 災害により住宅や家財などに損害を受けた場合

▼本文
10月の台風19号をはじめ、昨年は自然災害によって全国で多くの被害が発生しました。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。所得税では被災された方に配慮し、負担の軽減を図る制度が設けられています。今回はその中で住宅や家財に損害を受けた場合の制度を見ていきます。

一、雑損控除
 次のAとBのいずれか多い金額を所得金額から控除することができる制度です。
A 住宅等の損失額から所得金額の10分の1を控除した金額
B 災害関連支出の金額(災害に関連してやむをえず支出した費用の額)から5万円を控除した金額
 住宅等の損失額は、次のように計算します。
住宅や家財の取得価額から、使用年数による価値の減少分を控除した金額に、被害の程度に応じて定められた割合
(例 二階建て建物 床上1m以上1.5m未満・24時間未満の浸水で35%など)を掛けて計算します。
②①の金額に災害関連支出の金額を加算し、保険金などにより補てんされる金額がある場合にはその金額を控除して求めます。
なお別荘や貴金属・書画・骨董などで1個の価額が30万円超のものについて受けた損失は対象外ですのでご注意ください。

二、所得税の免除・軽減
 災害による損失額が、住宅や家財の価額の2分の1以上となる場合には、その年の所得の金額に応じて、所得税額の全額免除または2分の1もしくは4分の1の軽減を受けることができます。ただし雑損控除と重複して適用を受けることはできません。試算して、どちらか有利な方を選択して適用を受けることになります。
 一や二の制度の適用を受ける際には、市町村が発行するり災証明書の写しなど準備いただく書類があります。
手続きをご検討されている方は事前にご確認ください。

三、住宅借入金等控除の特例
 住宅借入金等特別控除はその住宅に継続して居住することが要件ですが、災害被害により住宅として使う事ができなくなった場合には、残りの年分についても年末調整や確定申告にて特別控除の適用を受けることができます。

2019年11月号

▼テーマ
 消費税ポイントカード還元制度

▼本文
消費税率10%がスタートしました。 消費者に最大5%が還元されるポイント還元制度を紹介します。

  1. キャッシュレス・消費者還元事業
    消費者が中小店舗で商品やサービスを購入する際に、キャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)にて代金を支払った場合には、購入額の最大5%のポイントが付与される制度です。

  2. 実施期間、対象店舗
    実施期間は、令和元年10月1日から令和2年6月30日までの9ヶ月間です。還元対象金額は決済額に応じた金額が還元されることになります。
    中小企業または個人事業主が運営する店舗の場合は5%が還元されます。
    また、コンビニやガソリンスタンドなどのフランチャイズチェーンの場合は2%が還元されます。
    ポイント還元対象の店舗は、経済産業省からポスターが配布され店頭に掲示されます。また、ウェブサイトでも確認できます。

  3. キャッシュレス決済
    お札や小銭などの現金を使用せずに代金を支払うことです。キャッシュレス決済手段には、クレジットカード、デビットカード、電子マネー(プリペイド)やスマートフォン決済などがあります。
    ①クレジットカードは、商品やサービスを受け取った後から支払いの請求が来る後払いのカードのことです。
    ②デビットカードは、商品やサービスの購入時に提示すると代金が銀行口座から即時に引き落とされるカードのことです。
    ③電子マネー、プリペイドカードは、カードやスマートフォンに前もって入金しておき、店の機械にタッチして支払います。
    ④スマートフォン決済(QRコード読み取りなど)は、スマートフォンに、クレジットカード、電子マネー、銀行口座などを登録して支払います。
    ※1か月のポイント還元の上限はサービス会社により異なります。

2019年09月号

▼テーマ
 家族信託における税金のはなし

▼本文
最近、テレビ等のマスコミで家族信託が取り上げられています。将来的な認知症対策としても注目を浴びつつあります。そこで気になってくるのが税金のことです。家族信託の概要と関係してくる税金を確認してみましょう。

一、家族信託とは?
自分が持っている不動産やお金などを信用できる人に託します。
託された人はその財産を管理して、場合によっては、売却や賃貸なども可能です。
託した財産から生まれる利益は自分が望む人が受けます。
 の人を委託者、の人を受託者、の人を受益者と言います。従って、委託者が認知症になったとしても、事前に財産を信託しておけば、受託者の判断でその財産の処分ができます。

二、家族信託と税金
父親から長男へアパートが信託されたケースで見てみましょう。それぞれの税金は次のような取り扱いになります。
○贈与税
 アパートが信託されると建物の名義は父親から長男へ移ることになります。しかし、税務上は名義ではなく受益権を持っている人を所有者とみなします。従って、父親が依然として受益者であれば信託を設定しても贈与税はかかりません。
○所得税
・家賃収入
 アパートの名義が長男へ移るため、賃貸借契約も長男と賃借人に変更になります。ただし、あくまでも父親が受益者であれば従前どおり、父親で不動産所得の申告を行います。
・建物売却収入
 売買契約についても長男が買主と結ぶことになりますが、家賃収入と同様、父親が受益者であれば父親で譲渡所得の申告を行います。
○固定資産税
 固定資産税は、アパートの名義人である長男に課税されます。これは不動産所得の必要経費になりますので、受益者である父親が負担して問題ありません。

三、その他の注意点
他の税金については、不動産所得税や登録免許税などが関係してきます。また、民法上、他の相続人との遺留分の問題なども絡んできますので、事前に専門家に相談されることをお勧めします。