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税務相談Q&Aテキスト版

2020年11月号

▼テーマ
 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

▼本文
少子高齢化による人口の減少や、中古物件の活用が少なくなり、空き家の増加傾向がみられるようになりました。
休眠状態となった土地や建物の流通を増やすことで、新たに土地建物を欲している人に積極的に活用してもらい、地域の活性化や治安の向上を図るための、譲渡所得の特別控除の制度が創設されました。

制度の概要
個人が、令和2年7月1日から令和4年12月31日までの間において、一定の低未利用土地等を500万円以下で売った場合、譲渡所得の金額から最高100万円まで控除することができます。

適用の要件
(1)売った土地等が、都市計画区域内にある低未利用土地または低未利用土地の上に存する権利であること
 ①未利用地の例
  空き地、空き家、空き店舗、工場跡地、耕作放棄地、管理を放棄された森林など。 
 ②低利用地の例
  一時的に利用されている資材置場、青空駐車場(車両を覆う構造物がない)など。
(2)売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
(3)土地の上にある建物等を含めた譲渡価額が、500万円以下であること。
(4)売った後に、その低未利用土地等の利用がされること。
(5)譲渡する年の1月1日において所有期間が5年間を超えること。
(6)適用を受けようとする低未利用土地等と一筆の土地から分筆された土地等について、その前年または前々年において、この特例の適用を受けていないこと。
(7)売った土地等について、収用等の場合の特別控除や事業用資産を買換えた場合の課税の繰延べなど、他の譲渡所得の課税の特例を受けていないこと。

特例を受けるための手続と書類
 この特例を受ける旨記載した確定申告書(次の書類を添付)を提出することが必要です。    
 ①譲渡所得の内訳書
 ②売った土地等の所在地の市区町村長が発行する「低未利用土地等確認書」
 ③売買契約書の写し等

2020年9月号

▼テーマ
 新型コロナ関連における助成金等の課税関係

▼本文
新型コロナウィルス感染症の影響により、様々な助成金、補助金が国や地方公共団体から支給されることになりました。一般的に法人、個人の所得には税金が課税されますが、各種の助成金等の取り扱いはどのようになっているのでしょうか。主な助成金等について確認してみましょう。

1.非課税扱いになるもの
・「特別定額給付金」
 外出自粛で感染拡大防止に協力している国民全員に対し、家計支援の一つとして給付されるお金です。1人当たり10万円が支給されます。
この特別定額給付金は、非課税所得とされています。

2.課税扱いになるもの
・「持続化給付金」
 感染拡大防止対策により売上の減少などの影響を受けた事業主等に対し、交付される給付金です。中小法人は最大200百万円、個人事業主、フリーランスは最大100万円がそれぞれ支給されます。事業所得、雑所得等の雑収入として課税対象になります。
・「雇用調整助成金」
 コロナ禍の影響を受けても、従業員に休業手当を支払うなど雇用維持に努めている事業主に対し、交付される助成金です。事業規模や雇用維持の状況によって異なりますが、中小事業者に対しては休業手当支払額の8割ないし10割が支給されます。事業所得等として課税対象になります。
・「経営継続補助金」
 農林漁業者が感染拡大防止対策を行い、販路回復、開拓や事業継続、転換のための機械設備の導入や人手不足解消の取組を総合的に支援するために交付される補助金です。取組により補助率が異なりますが、最大で100万円が支給されます。事業所得等として課税対象になります。
・「長岡市事業継続緊急支援金」※受付終了
 感染症の影響による売上減少を背景に、中小企業の経営を圧迫する賃借料など固定費の負担を軽減させるために給付される支援金です。家賃相当額として最大30万円、固定資産税相当額として最大10万円のいずれかが支給されます。事業所得等として課税対象になります。

3.今後の注意点
 今後、新たな支援制度の創設や非課税枠の拡大などの対策が講じられる可能性もあり、最新情報の把握が大事になります。

2020年7月号

▼テーマ
 中小企業者等の固定資産税軽減措置について

▼本文
このたび新型コロナウイルスの影響により、生活に影響を受けられている地域の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
そんな中、休業又は事業収入が大幅に減少し、厳しい経営環境に直面している中小事業者の方々に対して、固定資産税(都市計画税を含む)の負担を軽減する措置が講じられます。

対象者
資本金が1億円以下の法人
資本金を有しない場合は従業員1000人以下の法人
従業員1000人以下の個人事業主
ただし、大企業の子会社等は対象外となります。

売上要件と減免率
令和2年2月~10月までの期間の中で、連続する任意の3ケ月間の売上高の合計が前年の同じ期間と比べて
50%以上減少の場合は全額を減免
30%以上50%未満減少の場合は2分の1を減免

軽減対象
事業用家屋及び設備等の償却資産に対する固定資産税
事業用家屋に対する都市計画税
土地や居住用家屋は対象外となります。また、事業用と居住用が一体となっている家屋については、事業専用割合に応じた部分が対象となります

申請手続き
認定経営革新等支援機関等(専門的知識を有し、一定の実務経験を持つ、税理士、公認会計士、弁護士等の支援機関)へ、適用要件の確認を依頼し、確認書の発行を受ける。
令和3年1月以降に申請期限(1月末)までに固定資産税を納付する各市町村に必要書類と一緒に申請をする。

各市町村への申請は、毎年行われる償却資産税の申告書と同じ提出期間となります。
本制度は令和3年度の課税分に対する軽減措置です。令和2年度分には適用されません。しかし、令和2年2月以降、売上が前年同月比20%以上減少している場合は、納期限から1年間納税が猶予される特例を受けることができます。

2020年5月号

▼テーマ
 令和2年分の所得税改正について

▼本文
令和元分年の確定申告は、コロナウイルスの影響により提出期限を1か月延長して終了しました。今回の確定申告には大きな改正はありませんでしたが、令和2年分にはいくつか改正点があります。その内容を簡単に説明したいと思います。

基礎控除の引上げ
所得税には個人事業主やサラリーマンなどに関係なく、誰でも控除出来る基礎控除があります。その控除額は今まで38万円でした。その金額が
令和2年分より48万円に引き上げられます。ただし所得の多い方については次のように控除額が減っていきます。

所得額が2,400万円以下の方は満額の48万円
2,400万円超2,450万円以下の方は32万円
2,450万円超2,500万円以下の方は16万円
2,500万円超の方については適用なしのゼロ

青色申告特別控除の引下げ
前記の基礎控除は10万円引上げられましたが、給与所得者については給与所得控除、年金所得者については公的年金等控除が令和2年分より10万円引き下げられる事となりました。
そして事業所得者については今まで最大65万円控除されていた青色申告特別控除が、10万円引き下げられ最大55万円に改正されます。
所得が2,400万円以下の方は、基礎控除と合わせると同じ控除額となりますが、所得がそれ以上の方は控除額が減る事となります。

青色申告特別控除の上乗せ
現行の65万円の青色申告特別控除の適用要件に加えて、次のいずれかの要件を満たす場合には、引き続き青色申告特別控除が最大65万円控除出来ます。
e-Taxを利用して申告書及び青色決算書を提出する。
電子帳簿保存法に対応する会計ソフトを用いて記帳し、かつ電子帳簿保存の承認申請書を税務署に提出する。

承認申請書につきましては、本来は開始する3か月前までに税務署に提出しなければなりません。しかし令和2年分に限り令和2年9月29日までに申請書を提出し12月31日までの間に電子帳簿保存を行う事で適用を受ける事ができます。
是非ご検討下さい。

2020年03月号

▼テーマ
 配偶者居住権の税の取扱いについて

▼本文
民法の改正に伴い、令和2年4月より配偶者居住権が新しく創設されます。今回は配偶者居住権の相続税及び贈与税について説明します。

配偶者居住権とは?
 配偶者が居住していた被相続人所有の建物について、残された配偶者が遺産分割等により、一定期間または終身で住み続けることができる権利です。
 相続が発生し居住不動産を相続する場合、現在は所有権という権利しかありません。令和2年4月1日以後に開始する相続からは、「所有権」と「配偶者居住権」に分けて相続することができるようになります。
 ただし、配偶者居住権を設定する場合は、一定の手続きと登記が必要となります。なお、この権利は配偶者居住権を相続した配偶者が死亡したときに消滅します。

相続税はどうなるのか?
 「配偶者居住権」を設定した場合、相続税の評価についても権利設定と同様に「所有権」と「配偶者居住権」とに分けて評価します。
例えば、配偶者と子がそれぞれ取得したケースでは次のような関係となります。
 居住不動産の評価額(従来の所有権)=配偶者居住権(配偶者の相続分)+所有権(子の相続分)
 従来の所有権を「配偶者居住権」と「所有権」に分けただけなので、不動産全体の評価額は変わりません。
 配偶者は取得した「配偶者居住権」については配偶者の税額軽減が受けられます。「所有権」を取得した子は配偶者居住権の分だけ評価額が下がりますので、相続税の総額も下がる可能性があります。なお、配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅しますが、それにより所有者である子に相続税が課税されることはありません。

贈与税が課税されるケースも
 前項で説明したとおり、配偶者の死亡により配偶者居住権は消滅します。しかし、次の場合は配偶者から所有者に贈与があったものとみなされ、贈与税が課税される可能性があるので注意が必要です。
当初設定した存続期間の満了前に配偶者居住権を放棄した場合
所有者との合意により消滅させたときに、所有者が消滅直前の配偶者居住権の価額に相当する額の対価を支払わなかった場合

2020年01月号

▼テーマ
 災害により住宅や家財などに損害を受けた場合

▼本文
10月の台風19号をはじめ、昨年は自然災害によって全国で多くの被害が発生しました。被災された方には心よりお見舞い申し上げます。所得税では被災された方に配慮し、負担の軽減を図る制度が設けられています。今回はその中で住宅や家財に損害を受けた場合の制度を見ていきます。

一、雑損控除
 次のAとBのいずれか多い金額を所得金額から控除することができる制度です。
A 住宅等の損失額から所得金額の10分の1を控除した金額
B 災害関連支出の金額(災害に関連してやむをえず支出した費用の額)から5万円を控除した金額
 住宅等の損失額は、次のように計算します。
住宅や家財の取得価額から、使用年数による価値の減少分を控除した金額に、被害の程度に応じて定められた割合
(例 二階建て建物 床上1m以上1.5m未満・24時間未満の浸水で35%など)を掛けて計算します。
②①の金額に災害関連支出の金額を加算し、保険金などにより補てんされる金額がある場合にはその金額を控除して求めます。
なお別荘や貴金属・書画・骨董などで1個の価額が30万円超のものについて受けた損失は対象外ですのでご注意ください。

二、所得税の免除・軽減
 災害による損失額が、住宅や家財の価額の2分の1以上となる場合には、その年の所得の金額に応じて、所得税額の全額免除または2分の1もしくは4分の1の軽減を受けることができます。ただし雑損控除と重複して適用を受けることはできません。試算して、どちらか有利な方を選択して適用を受けることになります。
 一や二の制度の適用を受ける際には、市町村が発行するり災証明書の写しなど準備いただく書類があります。
手続きをご検討されている方は事前にご確認ください。

三、住宅借入金等控除の特例
 住宅借入金等特別控除はその住宅に継続して居住することが要件ですが、災害被害により住宅として使う事ができなくなった場合には、残りの年分についても年末調整や確定申告にて特別控除の適用を受けることができます。